「染色体検査に至るまでの過程及び結果告知についての実態調査報告」を
ご購入いただきました方々から、続々とご感想をいただいております。
その中から、ホームページ上での掲載了承の上お送りいただきました感想を
ご紹介させていただきます。
(順不同、なお、個人アドレスなどは掲載を控えております)

〜白石様より〜

都立高校で生物学を教えている白石と申します。
授業では染色体突然変異という単元で扱いますが、
紋切り型の説明が差別偏見を助長していると感じており、
「知能発達の遅れ」などという解説に対抗できる説明はないかと思っていました。
高校生物は、病気の紹介でなく、ヒトが見えるような話をしたいと思っています。
それは、専門家になる生徒にも是非必要だと思ってもいます。
私自身は、いわゆる色弱で、色覚異常といわれることに抵抗感を感じ、
色覚変異と言っております。
しかし、医師からは変異というといやがる患者もいて、難病指定の面からは
異常というほうがいいという返答もあり、
実際の家族の声を参考にできるのが良かったです。(色弱は難病ではないですけど)
生命倫理という授業もやってきましたが、告知を受ける側の気持ち、
現場の様子などがよくわかり、「〜すべき」となりがちなところを
「これはまずい」と考えることができる場面が頭に浮かびます。
医師になるほどの卒業生はいませんが、看護医療系へ進学する生徒はおりますので、
当事者として考えられるような授業を心がけていきたいと思います。
願わくば、調査から浮かぶ現実のケースを当事者の気持ちになって読めるような
物語があると、より授業で扱いやすいかなぁ・・・と勝手ながらおもいました。

〜北里大学 齋藤有紀子様より〜

報告書、届きました。どうもありがとうございました。
まわりの人にも是非紹介させていただきます。
取り急ぎ、お礼とご連絡までに。

〜名古屋大学大学院人間情報学研究科 加藤多喜子様より〜

本日、冊子届きました。大変きれいな印刷で、装丁もとても素敵ですね。
お忙しいところ早速ご対応頂きありがとうございました!
取り急ぎ、到着のご報告と御礼にて。

〜米津様より〜

一言感想
数値として伝えるだけでなく、作られた皆さんの、細やかな心遣いを感じました。
医療関係者に対して、これを単に患者対応マニュアルや禁句集として
使わないでほしいという指摘がありましたが、もっともなことだし、
大切なことだと思いました。
(ヨネヅ)

〜株式会社エスアールエル 法務部兼技術開発部 堤正好様より〜

先日到着いたしましたので、これから読ませていただきます。
これから勉強させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。

染色体検査はこれまで長い歴史がありますが、今回の報告書で気がつかずに、
そして忘れられてきたことが多くのご意見として出ているものと考えます。
検査のあり方を考える上でとても大事な視点と思いますので、
そのような目で読ませていただきます。

どうもありがとうございました。

〜木田盈四郎様より〜

拝啓

04.3.22付けで「冊子小包」が届きました。
その中に、「染色体検査に至るまでの家庭及び結果報告についての実態調査報告」と
ともに、 2月21(日)付の貴方(=FLC会員)と息子さんのお手紙が入っていました。
読後感を書きます。

■一言で言うと、この会の存在そのものが、わが国の「差別の姿なのだ」と言う思いを
強くしました。「存在を知られていない事」は最大の差別です。
「プライバシイーの権利」には「公開と秘匿」の二つがあり、
わが国では政府指導で、「秘匿の権利」だけが独り歩きしています。
「当事者が、恥を忍んで自分たちの存在を公開する」その権利は「基本的人権」です。
この本の出版から、私は、患者側の「勇気」を感じます。

■わが国には「一犬弧に吠え、万犬これに和す」と言う諺があります。
私もこれを使い、一昨年、朝日新聞の読書欄に「サリドマイド35万錠が輸入」と投稿が
掲載され、この問題が社会的になった、経験があります。
この本は、「日本のマスメデイア各社」に送って、
根気よく運動を展開する価値があります。

■三つ目に指摘したいのは、誤解を恐れずに言うならば、「この本は難しい。」事です。
わが国では、一般のひとは「難しい事は良いことだ」考えています。
広辞苑で教育をみますと「人間に他から意図をもって働きかけ、
望ましい姿に変化させ、価値を実現する活動」と書いてあります。
その結果、多くの人は「難しい事をいう人は偉い人だ」と信じています。
最近、これに少しづつ変化する風潮がでてきました。それは「官僚主義の崩壊」です。
啓蒙書を書くときに大切なのは「読者」の想定です。
私が「先天異常の医学」を書いたとき、編集者に、
「子育てに一段落した家庭の主婦、高校卒業かせめて短大卒の読者」、
と教えられました。

■この本は、「専門学会の構成員」向きに書かれています。
それはそれで良いのですが、「ジャーナリストを興奮させるために一工夫する必要」
があるのでないでしょうか。
「専門家集団」は、社会的に見ると少数者で、社会に動かされていますが、
社会を動かす力はありません。

■最近は、「素人の特権」といわれています。
「何も知らないということは、何も分からないということではない。
かえって、物事の本質が見える、と言うことだ。」と考えられています。
その例として、最近の「家庭用電子機器」があります。
それらは、専門家が作って素人が使う。
専門家は、素人が基礎的知識を持たずに使え、事故や故障が起きないものを
作ることが求められ、その考えを持たない専門家は結果として社会から排除されます。
そう考えると、素人は「(万能の)神様」と言えそうです。

●人は70兆もの細胞の塊です。
それは、受精卵と言う一個の細胞が43回「細胞分裂」を繰り返して出来たものです。
受精卵は、お父さんの精子とお母さんの卵子が合体してできたものです。
精子と卵子には23本づつの染色体があります。
こうして出来た「ヒトの染色体」には、ヒトのからだと心を作る設計図
(DNAの4文字で書かれている)46本の染色体があります。
「成人のからだ」の46本の染色体が、23本づつ選ばれて「精子と卵子」を作るときと、
一つの細胞の「受精卵」がヒトのからだをつくるときとは、
違う『細胞分裂』をするのですが、そのとき、共通しているのは
「小さな間違い」を起こすことです。
その結果出来たのが、ダウン症などの「染色体数異常」と、「染色体起因しょうがい」の
「染色体構造異常」です。

●一方では、最近、科学技術が発達し、
「民間の臨床検査会社のサービス」が普及しています。
全国の医師は、患者さんの血液を採って、契約している「臨床検査会社」に送って、
その結果を、治療に利用できる様になりました。
(その費用は、原則的に、患者さんが負担します。)そうした検査項目に、
「染色体検査」があります。

■そうして見つかった、「染色体構造異常」の患者さんは
「四つ葉のクロバーFLC」の会と名前を付けました。
その会は、9年前の1995年に活動開始し、現在、会員は、全国に353家族です。
そのかたがたが今年一冊の本を出しました。

★ まとめ:
この問題は一言でまとめると、「医療の現実」に、国の対策(医学教育など)が
ついていけない「患者差別という社会現象」といえます。

■参考までに:厚生省は、平成2年(1990)に「医師国家試験出題基準」の改定を開始。
平成5年(1993)に、総論と各論の二つに分け、「小児科の区分を廃止」しています。
これは、国の統制的考え(技術的側面)で統一され、「臨床医学の本質が欠けている」。
平成13年度の医師国家試験出題基準を見ますと、
医学総論 5. 病因・病態生理: p35  
・ 病因、病態生理[約13%]
1 疾病と影響因子  約8%
  A 疾病の自然経過: a発生病理 b病期〈前臨床期、臨床期〉c病型
  B 生活・職業・社会環境と疾病: aライフスタイル b環境因子
      c労働適応 d妊娠・出産・育児と労働 e技術革新と健康
  C ストレス: a自律神経・内分泌機能の変化 b感情と行動の変化
      c疾患の誘発と症状増悪 d災害、移民
2 先天性異常   約8%
  A 原因と分類: a単一遺伝子病  b染色体異常 c多因子遺伝
    d環境因子による奇形
  B 遺伝形式: aMendel遺伝様式 b非Mendel遺伝様式 c遺伝的異質性
    d浸透(率) e発病年齢
  C 染色体異常の種類: a染色体異常の原因
    b数的異常〈trisomy、monosomy〉
    c構造異常〈欠失、転座、iso染色体〉 dmosaic
  D 性の分化・成熟の異常      以上。

〜水田真平様より〜

FLCのみなさまへ

はじめまして、こんにちは。
私は、「染色体検査に至るまでの過程及び結果告知実態調査報告についての
実態調査報告」を読ませて頂いた者です。
非常に貴興味深い内容で、感動したので少し長いですが感想を述べさせて頂きます。

私は臨床検査技師(血液検査や尿検査、場所によっては染色体検査もします)養成の
大学を昨年度に卒業し、現在は遺伝学を学ぶために大学院に通っています。
そして今後は遺伝カウンセラーを目指し勉強を続けようと思っております。

今回、当大学院の教授に薦められこの本を読ませていただきました。
この本を読むうちに本当に様々な気持ちにさせられました。
それは、当事者の悲痛な訴えや怒りの声に対して、
申し訳ないと思ったり恥ずかしい気持ちになったり。
当事者の感想で、人は一人一人違う、皆に同じ対応をしていては、
当事者を勇気づける事もあれば深い悲しみを負わせる事になる事もあると
痛感いたしました。
当事者の気持ちになって理解をした上でその場での対応を考慮するという事が
重要なのだと思いました。

他方では、そのような難しい対応にではなく、
医療人として(あるいは人としてかもしれません)あるまじき態度・発言に対して
怒りをあらわにしている訴えもありました。
本当に恥ずかしく、申し訳なく思います。

この本で訴えられているのはやはり、表の人物、
すなわち医師や看護師についてが多いです。当事者と顔を合わすのだから当然です。
人を研究材料や物として見ている、当事者にとってはかけがいのないわが子だが
医師にはたくさんのうちの一人、という言葉が身にしみます。
私はまだ現場に出ていませんが病院の姿は確かにおっしゃる通りのところがあります。

そして最近私が危惧しているのは、表に立つ人だけでなく
実は検査をする人にも同じ事が言えるが、あまり浮き彫りになってこない事です。
大量に検査室に送られてくる検体は名前しかわからず、
ただ検査をしデータを出し医師に伝える事が仕事となっています。
皆様のおっしゃる通り、染色体検査や遺伝子検査は通常の検査と違い、
非常にプライバシーの強い検査だと思います。
それにもかかわらず、ただ検査をするだけ、倫理面を考える事もない、とあっては
今後どんどん染色体や遺伝子検査が傍若無人にはびこる世の中に
なってしまうと思います。
先日もある学会で、すばらしく簡単に遺伝子多型(個性の違いにつながり得る
遺伝子暗号の一つの違い)を調べる事が可能な方法ができそうだ、
という発表がありました。
検査の簡便化は、技術が先行し、それを扱う者の知識、倫理が追いついていない状況、
さらにはその検査を受ける当事者の背景が理解できない状況では
本当に危険だと思います。
これは重要な問題として解決に向かうよう努力していきたいです。

この本は現在の遺伝医療の問題点を浮き彫りにし、
何より簡単にその世界に入れる臨場感のようなものを感じました。
将来またこのような本を作る機会があれば、笑い顔のマークの欄が
多くなるようにしていきたいです。
最後に、このような貴重な体験をさせて頂いた事と、
この本が今後の自分を奮い立たせるきっかけになりました事を
FLC関係者の方々に感謝を申し上げます。本当にありがとうござました。

今回の読んだ本は私の物ではないので、自分用に一冊注文をさせていただきます。
自分の目に付く医療関係者やそのタマゴにも薦めてみたいと思います。

長くなりましたが、今後も遺伝医療がより良い方向へ向かうよう
一緒にがんばりましょう!

〜福本英子様より〜

FLCの実態調査報告書を読ませていただきました。

今、たくさんの人が日常的に問題を感じながら、実情をとらえるすべのなかったことに
きちんと切り込んで、いちばんシビアなところで答を出してくださったことに、
驚いたり、ありがたいと思ったりしています。

作業にあたられた方々の視点の確かさにも感じ入っております。
「染色体起因しょうがいじの親の会」というネーミングがなによりも、
それを表しているという気がします。
この実態調査報告書が紹介されている新聞記事を送ってくれた人がいて、
“現物”を見てみたくなり思いきってお頼みしたのですが、予想以上の収穫でした。
お医者さんだけではなく、一般の人々にとっても得がたいテキストです。

私は先端医療技術 生物化学技術といわれるものの問題について
細々と書いてきたライターです。
人さまの前でお話することもたまにはありますので、
機会をとらえてできるだけ紹介させてもらおうと思っています。

報告書がえぐり出してくださった実態こそ、新しい技術の導入の是非を考えるうえでの
最大のカギになるという気がしております。
でも当事者がこれだけの労力や時間をかけて調査、刊行しないと。
重要なところがなにも表に出てこないというのが、ほんとうはおかしいのですね。

報告書がたくさんの人に読まれますように。
会のほうにメールで感想をお届けすべきなのでしょうけれども、
なにやら儀礼的になるようで気がすすみませんので、
失礼を思いながら私信にさせていただきました。


本報告書に関する感想等をお送りいただければ幸いです。今後の活動の参考にさせていただきます。

お送りいただいた感想等はFLCの会員への会報,MLやHPへ掲載させていただく場合がございます。
掲載時のお名前(ハンドル名など)を併記願います。

なお、掲載の場合、FLC内にて紙面の都合上一部省略したり、
プライバシー保護のために個人が特定できるような表現を抜いたりさせていただくことがあります。
(FLCより編集を加える場合は、実名掲載に限り掲載内容を御連絡させていただきます)


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